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小野湖山(おのこざん)(1814-1910)

漢詩人:大沼枕山(1818-1891)、鱸松塘(1824-1898)とともに明治の三詩人と称された。明治12年7月、熊谷を訪れ、星溪園で漢詩を詠んでいる。

後園矣好優遊 家在中山驛路頭 布置亭台都瀟酒 乱栽花竹補清幽 曾経高館留鑾駕 又見籬門邀貴候 最是天然難得事 湧泉碧漲可浮舟


書き下し

「家の後ろにある庭園は、広々としてゆったりと遊ぶのに好ましいであろうか。

邸宅は中山道の直ぐ傍にあり、都の洗練された四阿や展望台が配置されている。

花や竹林が入乱れ、清らかで静かな趣を添えている。

かつて、高館には皇族が使用した馬車が留め置かれている。

又、高貴な方を迎える籬門が見える。

一番素晴らしいことは、自然の得難きところである。

有泉は碧き水をたたえ、舟を浮かべて遊ぶのに相応しい。」

 この漢詩は、昭和8年に市内鎌倉町の星溪園内に造立された、星溪園記碑に刻まれている。

 
 星溪園「星溪園記碑」