常設展示室/石造物の部屋

歓喜院手水鉢

この手水鉢は、江戸名石工の一人「窪 世祥」(くぼ せしょう)が刻んだものです。正面の偈頌は『大聖歓喜天咒法経』からとったもので「我有微妙法 世間甚希有 衆生 受持者 皆與願満足 右 昇虚空而説偈」、左側面に「天保七丙申年 三月大吉晨」、右側面に「別當 海旭 江戸 窪世祥刻」と刻まれています。

現在、「窪 世祥」が刻んだと考えられている石造物は、江戸府内を中心に130基余りを数え、江戸から遠く離れた熊谷市内にも7基が確認されています。



正面

「窪 世祥」は、生没年不詳の江戸後期の石工で、「中慶雲」「広瀬群鶴(1750-1809)」とともに、江戸の3大名石工と言われています。「窪 世祥」が刻んだ石造物の年号は、文化元年(1804)〜安政元年(1855)の51年間です。中村仏庵(書家:1751-1834)・酒井抱一(画家・俳人:1761-1829)・亀田鵬斎(書家:1752-1826)等の文人と親交がありました。



右側面
所在地 妻沼1151(歓喜院)
種別 その他
造立年 天保7年(1836)

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