本板石塔婆は、熊谷市押切地内の旧東陽寺墓地に所在していたもので、現在は、正安銘板石塔婆とともに同字内の個人宅前に建立されています。
総高88cmを測り、頭部の一部を欠損します。横幅は、上部で38cm、下部で43cm、厚みは上部で8.5cm、下部で10cmを測ります。材質は緑泥片岩を用いています。
頂部は、ゆるい山形を呈し、古式な形態を示しています。碑面は主尊と銘文で構成されており、連座は刻まれていません。
銘文は、
孝子
戊
正嘉二季十月■■
午
敬白
と草書調に刻まれています。
虚空蔵菩薩を主尊に持つ板石塔婆は、類例がほとんどなく、正嘉二年(1258)銘も古く、古式な形態を残す貴重な資料です。
平成9年1月に江南町指定文化財に指定されています。
|