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国登録有形文化財 建造物
歓喜院平和の塔(かんぎいんへいわのとう)
平和の塔の写真
所在地 妻沼1511
所有者(管理者) 歓喜院
構造・形式 木造多宝塔(たほうとう) 銅板葺 建築面積17.28u 大工棟梁は林亥助(はやしいすけ)
年代 昭和33年(1959)
登録基準 「一 国土の歴史的景観に寄与しているもの」
多宝塔建築の類例としては現代に建立された部類に入りますが、各部際の組や構造の様子から高度な技術が発揮されたことがうかがえます。屋根を支える垂木構造が上段下段で異なる点が特徴で、下段の垂木は並行垂木、上段の垂木は扇垂木で、付け根の部分が複雑に組まれており、きめ細やかな技法によって完成を見たことがわかります。垂木側面は錺金具ではなく白色に着色されており、中央の組物の表面下部も同様の塗りが施されています。多宝塔中央の上層上部には銅製の相輪が置かれ、四方の角に鎖が下ろされています。塔を支える各所の丸柱は太く、円形に整形されされたものが使用され、全体の構造に安定感を与えています。
総檜造の多宝塔で、聖天山北部の盛土上に建造されており、敷地の各所からその偉容を確認することができます。本塔のような多宝塔の建築は、主に密教系寺院に用いられ、埼玉県内には現在6棟が確認されています。本塔は昭和26年に締結されたサンフランシスコ平和条約を記念し、戦没英霊の供養と世界恒久平和を祈願して建立されたもので、本尊には十一面観音菩薩が祀られ、他に大日如来、弘法大師、水子地蔵が安置されています。棟梁は林家8代目亥助で、柴又帝釈天の大鐘楼、熊谷の能護寺鐘楼修復を手掛けています。
答申年月日 平成28年11月18日
登録年月日 平成29年5月2日