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国登録有形文化財 建造物
歓喜院天満社(かんぎいんてんまんしゃ)
天満社の写真
所在地 妻沼1511
所有者(管理者) 歓喜院
構造・形式 木造平屋建 銅板葺 建築面積3.8u 一間社流造で、本殿工事と併せて桟瓦葺から銅板一文字葺に改修された。大工棟梁は林兵庫正信。
年代 天明5年(1785)/平成23年改修
登録基準 「二 造形の規範となっているもの」
向拝は、浜縁・浜床に木階五級を設けます。塗装の痕跡はなく、素木で、向拝柱には彫刻は施されていませんが、上部の木鼻を組み込み、建物全体を支える要所としての風格を漂わせています。内陣へとつながる登高欄と階の勾配は急であり、周辺の彫刻は簡素ですが、重厚感を与えています。海老虹梁での彫りなどの装飾は少ないものの、湾曲した曲線美を放ち、組物と向拝柱へと接続しています。左右の厚みのある頭貫の上部に花を主題とした蟇股がはめ込まれており、高欄が廻り、左右の後方に重みのある組柱によって脇障子が構成されています。この表面には彫物等はないが、下地の木の質を活かした形状となっています。高欄下の縁蔓の後方には左右に葉型の部材が組み込まれ、上下の腰長押を接続しています。
本社は、応永12年(1405)に忍城主の成田家時の勧請にて元来の天満宮は建造されたものですが、聖天堂の建立に際した享保6年(1721)の棟札には、本社殿について末社として記されており、その際に再建されたが焼失したとされています。当初より天穂日命を祀られて以降、現在もこの天満社が同神への信仰の拠り所となっています。三宝荒神社の構造とほぼ同じ構造であり、江戸時代中期の聖天山の建築史を現代に伝える貴重な遺構であると言えます。
答申年月日 平成28年11月18日
登録年月日 平成29年5月2日