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熊谷市指定有形文化財 建造物
根岸家長屋門(ねぎしけながやもん)
根岸家長屋門の写真
所在地 冑山152
所有者(管理者) 個人
江戸時代後期の寛政年間(1789〜1800)に建てられた根岸家長屋門は、幕末に尊皇攘夷の志士として立ち上がった根岸友山と、維新後の国政や県政に深くかかわり好古家としても活躍した息子の武香の生家として、現在もその風格を残しています。
長屋門とは江戸時代における豪農や武家屋敷などの前面に置かれる門と居住空間を併せ持った建物です。根岸家長屋門は、その偉容や建築美から郷土の顔として多くの人々に愛されてきました。建物全体の桁行(けたゆき)13間、梁行(はりゆき)3間という規模は県内最大級を誇ります。建物の主材としてはケヤキ材を多用しており、屋根の瓦葺きや建物の側面を覆う漆喰壁は極めて技巧的です。平成22年(2010)に保存修理工事が行われ、建物全体の補修と共に外壁が原初の色と同じ(ねずみ)色に復元されました。また、この長屋門で特徴的なのは、出入口が建物の中央ではなく、右手東側に1間分寄せられた位置に置かれており、左手西部屋が東部屋の1.5倍の平面規模となっていることです。江戸時代、この西部屋は剣術道場の「振武所(しんぶしょ)」として使用されました。現在、この部屋には「友山・武香ミュージアム」が開設され根岸家の歴史を学ぶことができます。
指定年月日 昭和54年5月14日