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踊る埴輪レプリカ作製日記 (4/4ページ) |
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再び東京国立博物館内の地下室での作業再開です。ちなみに、この地下室、携帯の電波圏外・外装工事中のため日光も届かない、外界と内線電話一本でつながる不思議な空間でした。 N電動工具を使って、型取りしきれなかった部分を、実物と比べながら補刻していきます。 刷毛目の単位やひびの入り方など、実物と同じにこだわります。 この補刻作業が、約1週間かかります。 |
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O最終段階は彩色。 エアーブラシまたは筆で、実物と同じ色に仕上げていきます。 埴輪の粘土に混入している細かい砂粒・補刻しきれなかった表面の微細なひびなども表現します。 1日1日と徐々に本物に近づけていき、完成まで約2週間かかりました。 |
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P実物と完成したレプリカ。 色・形はもちろんの事ですが、粘土・樹脂と両者は材質が異なりますが、質感まで同じように仕上りました。 四体の「踊る埴輪」の写真は、これが最初で最後?。 さて、問題です。 どれが実物で、どれがレプリカでしょうか?よく見て考えてください。(答えは、画像をクリック) |
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Q実物と別れ、江南文化財センターに展示された「踊る埴輪」のレプリカ。 江南地区のシンボルです。ぜひ一度ご覧下さい。 |
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| あとがき レプリカの作製は、単に実物を機械的にコピーすれば良いのかと考えていましたが、実際作業に立ち会ってみると、実物に付着している土は模写するのか、石膏復元部分の着色も忠実に模写するのか、あるいは、どの状態の模造を作るのか(製作当時の状態を想定して模造するのか、ひびが入ったり風化したり、あるいは出土時の鍬の傷までも模造するのか)、腰から下は石膏復元だが、大きさはこれで良いのか等色々な問題があることを学びました。 色々な考え方がありますが、今回のレプリカは、現在共通認識として広まっている「踊る埴輪」のイメージを大切にする方向で作製しました。 したがって、石膏復元部分を含めた大きさ、埴輪本体に付着している土の感じ、風化の度合い、破損状況などはできるだけ正確に模造しました。 ただし、石膏部分の着色の色は、実物の着色よりも、埴輪本体の色に近づけました(石膏復元部分と実物部分の区別がつく範囲内で)。 今回の作業を通して、レプリカの作製とは、単に実物を機械的にコピーすることではなく、実物を作った製作者の意図したイメージ(範型)を、現在の私達が理解し共有することであると、感じました。 今回の「踊る埴輪」レプリカ作製にご協力いただきました、関係者ならびに関係諸機関の皆様に心よりお礼申しあげます。 2001年4月2日 |