寺内遺跡第1次範囲確認発掘調査
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東塔基壇確認状況の写真
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22 東塔基壇確認状況
基壇の上は、かなり削平されており、礎石は一つも残存していません。直径2.8m程の心礎の掘方、抜き取り穴と四天柱の礎石と推定される礫が僅かに確認されています。

東塔基壇遺物出土状況の写真
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23 東塔跡遺物出土状況
基壇南側に、瓦・土師器・須恵器・鉄釘などの遺物が、ややまとまって出土しています。

東塔跡遺物出土状況の写真
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24 東塔跡遺物出土状況
軒丸瓦出土状況。

中門跡垂直写真
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25 中門跡垂直写真
金堂の南側45mに位置しています。基壇は、9×6.6mの規模で、復元される建物は、3間×2間の「八脚門」と推定されます。

中門跡遺物出土状況の写真
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26 中門跡遺物出土状況
基壇上から出土した、10cm程の塑像頭部。顔面部は、木芯に荒土を付け像の素形をかたちづくり、この上に上質の粘土をのせて細部の形を整えています。仕上げには漆喰を上塗りしています。

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所 見:今回の調査は、東西570mの規模で存在する寺院跡の中心部に遺存する、各基壇建物跡の性格を把握するために実施されたものです。
 幸いなことに、これらの基壇建物は、ゴルフ場の残存緑地として現状で保存されることが決定され、1994年には、「寺内古代寺院跡」の調査・保存および活用をはかるため、「寺内廃寺調査指導委員会」が設置されました。そして、現在まで4次(寺内遺跡第2次範囲確認調査中島遺跡第1次調査中島遺跡第2次調査寺内遺跡第3次範囲確認調査)に渡る発掘調査と、地下レーダーによる寺跡南限施設の確認調査を行っています。1998年には、中心伽藍部分が町の指定史跡に指定されています。
 寺院跡のほとんどは、未だ未調査で、山林として良好な状態で現状保存されています。このように、地方の古代寺院が、開発を免れ、現在まで良好な状態で残存していることは、非常に稀な例であると言えます。
 今後さらに調査を進め、古代地方寺院の構造・古代地方の仏教文化の実態の解明が少しでも解明できればと考えます。