歓喜院聖天堂の彫刻「鳳凰」とはどのようなものですか?

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 歓喜院聖天堂の中で、精緻を極めた彫刻の最たる例が、奥殿の外部における南側と北側に施された一対の「鳳凰(ほうおう)」です。この彫刻は吟八郎の次の世代である名工二人によって彫られたものであり、南側を小沢常信(おざわつねのぶ)が、北側を後藤正綱(ごとうまさつな)が手掛けたとされています。二つの彫刻の作風は異なり、常信作は、彫りの緻密さによって鳳凰の表情に厳しさを与え、正綱作は、大胆な彫りによって表面を立体的に仕立てています。
 この二つの彫刻は、今回の保存修理工事において、聖天堂から取り外され、彩色の復元が行われました。再び元の位置に戻った、二つの「鳳凰」。彩色と共によみがえった鋭い眼光からは、彫刻師たちの情熱がうかがえます。

 
 鳳凰(北側)

 
 鳳凰(南側)