現在の位置:ホーム常設展示室 > 文化財の部屋 > 文化財
国登録有形文化財 建造物
日本聖公会熊谷聖(にほんせいこうかいくまがやせい)パウロ教会礼拝堂(きょうかいれいはいどう)
日本聖公会熊谷聖パウロ教会礼拝堂の写真
所在地 宮町1-139-1
所有者(管理者) 熊谷聖パウロ教会
日本聖公会・熊谷聖パウロ教会は、明治15年(1882)、東京でイギリス国教会の教えに共感を得た熊谷在住の人々の運動が発祥となっています。明治18年(1885)には、この運動に応じて、日本人最初の聖公会聖職者である田井正一氏の説教会が開かれ、その翌年には金井登氏が当地へ派遣され「熊谷教会」を創設しました。大正4年(1915)には、現在地に新たな礼拝堂を造る計画が提案され、翌年に米国人設計家ウィリアム・ウィルソンによって設計が行われました。そして、大正8年(1919)、着工から4年の歳月を経て煉瓦造(れんがづくり)の教会が完成しました。
設計したウィルソンは、立教大学の礼拝堂や校舎、日本聖公会川越基督(キリスト)教会なども手掛けている建築家であり、煉瓦を組み合わせる建物構造の設計に多くの力量を注ぎました。その綿密な設計と併せて、日本で焼成された上質な煉瓦を使用していることから、関東大震災や西埼玉地震にも耐え抜き、また昭和20年(1945)8月の熊谷空襲による火災被害からも免れました。
建物は鐘楼を持つ平屋建の構造であり、建築面積141uです。鐘楼の1階部分が入口ポーチとなり、礼拝堂にはべストリー(礼拝準備室)が付設されています。創建時の屋根は洋瓦でしたが、戦後に日本瓦に葺き替えられています。外壁と内壁は煉瓦を積み重ね、それを支える木造の小屋組みや窓枠からは温かみが感じられ、祈りの場としての静寂な佇まいを見せています。礼拝堂入口には煉瓦造の門が造られ、礼拝堂の入り口ポーチと向き合っています。熊谷聖パウロ教会の礼拝堂及び門は、熊谷のモダン建物の代表例に挙げられます。
指定年月日 平成17年12月5日