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熊谷市指定有形民俗文化財
藍染絵馬(あいぞめえま)奉納額(ほうのうがく)
藍染絵馬・奉納額
紺屋(天保年間)
藍染絵馬・奉納額
藍染めの図(天保年間)
藍染絵馬・奉納額
紺屋(天保10年)
藍染絵馬・奉納額
藍玉作り(明治16年)
藍染絵馬・奉納額
尾高藍香 筆 共進 成業 唯頼 冥護(明治21年)
数量 計5点
所在地 下川上33「愛染堂」
所有者(管理者) 宗教法人宝乗院愛染堂
時代 江戸末期〜大正
奉納額には、「共進(きょうしん)成業(せいぎょう)唯ョ(ゆいらい)冥護(みょうご)」と示されている。大きさは、横133p、縦79p、奥行5pである。これは、明治21年3月8日、藍染業を中心とした業界団体から愛染堂に奉納された額であり、揮毫者として「富岡製糸場」初代場長で渋沢栄一の義兄にあたる尾高惇忠の号(筆名)である「尾高藍香」の名が確認できる。額の願主には、養蚕や藍玉の一大生産地だった現在の深谷市域の地名が見えることから、商売繁盛や業界繁栄の祈願を行っていたことが分かる。その中には、渋沢栄一の義弟の市郎や、栄一の伯父で養蚕の改良に力を尽くした宗助の名前を見ることができ、尾高・渋沢両家の人々が、市域を越えて交流があったことを明らかにする歴史的資料であるといえ、有形民俗文化財として文化財指定に値する。
なお、「藍染め絵馬四枚 附(つけたり) 奉納額」については、既に昭和61年1月1日に熊谷市指定民俗資料(現、有形民俗文化財)に指定されている。今回改めて藍染及び絹産業遺産に関連した分類の中で、文化財の概要を明確化するために、従来の「藍染絵馬」4枚の指定物件に加えて、「尾高藍香(尾高惇忠)」筆の奉納額を併せて指定することを念頭にする附としての位置づけではなく、「藍染絵馬・奉納額」として名称変更して指定することが適当である。
指定年月日 昭和61年1月1日
(名称変更) 平成31年3月29日