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   御稜威ケ原みいずがはらー  

それまで(昭和初年まで)この地は、松、なら、くぬぎなどが生いしげる深い林であったが、昭和10年2月、突如として三尻飛行場が設置されることになり、その秋までに林は伐採され飛行場が設置された。
そして、第1期工事もほぼ完了に近い昭和13年10月10日、天皇陛下が行幸され航空兵の訓練や高等飛行を御覧になられた。時の飛行学校長江橋英次郎陸軍中将は、この時の感激を残そうと、
さしつけに   仰ぎまつれる   大御稜威(おおみいず)
伝えてはげめ 空の益良雄(ますらお)
と歌い、そうして当時の飛行場を「御稜威ケ原」と名づけたのである。これにより、この地一帯を御稜威ケ原と呼ぶようになった。現在、自衛隊熊谷基地内に、江橋中将自筆の「御稜威ケ原」なる字が、大きく刻まれ、その下に、「さしつけに・・・」の歌が彫られている。〔小久保〕



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