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おりっとの観音様(樋春)

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土堤の馬頭様は、おりっとの観音様として多くの人々に親しまれ信仰を集めています。
この馬頭様は、樋春と石原の渡しを結ぶ道沿いに祀られていましたが、明治の大洪水で流されてしまい、堤防工事後に堤防下の下り口に移して祀られたといいます。
馬頭様は馬頭観音ともいいますが、道を行く人々や牛馬の供養として建てられたものが多いようです。かつてはこの道筋が大事な交通路であったこともわかります。
この馬頭様にはその後馬力の仕事に従事していた林力太郎・茂木福松両氏らが中心になって観音様を信仰する人たちによって、上屋がつくられたといわれています。
この観音様の縁日は三月十九日で、この日には樋春北地区の毎戸から米を出してダンゴをつくり、神主(昔は御岳講の先達)に拝んでもらってから「ダンゴ投げ」をするなどしてにぎやかだったといいます。
今ではこの観音様は、地元の人たちに安産・子育ての神様として厚く信仰されています。
おりっとの観音様(樋春)