丸山遺跡(4/4ページ)

断層面に剥ぎ取り薬剤とガーゼを貼り付けた写真
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22 断層土層標本採取作業3
樹脂とガーゼが貼り終わった状態。乾くまで1時間ほど待ち、ガーゼにマジックで、標高ラインとグリットライン、採取場所・日時を書き入れ、カッターで分割して土層面から剥がします。

トレンチの中で断層を調査している写真
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23 断層調査状況
0.4級のバックホーの腕が届く限りの深さまでトレンチを掘り下げたところ。バックホーで掘り下げながら、この断層はどこまでずれているのかと思いましたが、良く考えれば、きっと震源の深さまで、ということで、おそらく深さ数十kmまでずれているはずです。改めて地震のエネルギーの大きさに驚きます。

断層の土層堆積状況の図面をとるため、水糸を張った写真
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24 断層調査状況
土層のずれを測量するため、水糸でメッシュに基準線を引いたところです。

トレンチの中から見た断層の写真
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25 断層確認状況
手前が3mほど乗り上げている上盤側。下盤側の下部に確認されている白色粘土層が、上盤側では3mほど上部の地表付近に確認されています。

正面から見た断層の写真
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26 断層確認状況
向かって左側が上盤側。上部に確認されている白色粘土層が乗り上げた時、粘性が強いため、下盤に引っ張られるようにずり上がっていった様子が確認できます。

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所 見: 発掘調査も終盤にさしかかった1994年12月、調査区の東側のローム層上面ををジョレンで精査していると、ローム層に接して、粘土質の土がある部分に平面的に確認されました。遺構の可能性もあったので、その境目に直行するように2本のトレンチを入れました。平面的に確認された、土層の境目は、断面では粘土層が斜めにローム層にのりあげている事が確認でき、人為的な遺構ではなく、断層であることが推測されました。
その後、断層の落差を確認するため、重機による深堀を実施し、地質学の専門家の方に、実見していただき、落差3m程の断層であることが確認されました。
 断層の活動時期については、残念ながら不明でしたが、現在、教育委員会では「江南町史 資料編 地質」の刊行を進めており、委嘱している地質学の先生により、断層の活動時期に関する分析を進めています。
 また、2001年12月には、「独立行政法人 活断層研究センター」によって、隣接地において断層確認のトレンチ調査が行われていることから、本断層の活動時期も近いうちに判明するものと思われます。